教 育
台湾民衆の植民地
実業補習教育の現場から見た政策と生活
豊田明子(とよだ あきこ) 著
殖産興業の要地とされた植民地台湾。総督府の教育、とくに農業補習学校は民衆生活においてどう受け止められたのか。統治側でありつつ、新参の現地生活者であった教員の視点から、植民地民衆のしなやかで逞しい日常を描く。
◆主な目次
序章 植民地台湾の実業補習教育をとらえる意味
第1 節 研究の目的と視点
第2 節 研究の背景
第3 節 先行研究の検討
第4 節 研究の視座
第5 節 研究の方法
第6 節 本書の構成
第1 章 植民地台湾における教育政策の展開
はじめに
第1 節 教育行政組織の創設と管轄する領域の拡大
第2 節 台湾教育令による教育機関の体系化
第3 節 文官総督の誕生と第二次台湾教育令の公布
第4 節 文教局の設置
章結
第2 章 実業補習教育の制度と施設
はじめに
第1 節 実業重視の教育政策と思想「善」導の方向
第2 節 実業補習教育制度の展開
第3 節 中堅青年養成・青年補導教育施設の創設
第4 節 青年補導施設の指導:龍山青年教習所と竹南公民講習所
章結
第3 章 実業補習教育に対する総督府の態度と振興策
はじめに
第1 節 教育の地方化と実際化
第2 節 実業補習学校の実態調査に対する認識
第3 節 全島実業補習教育研究会における議論
章結
第4 章 農業補習学校の教育と民衆の生活
はじめに
第1 節 台湾の農業と農民の豊かさ
第2 節 台湾農民の生活を貫く「実利」とは
第3 節 農業補習教育に対する教員の「使命感」
第4 節 農業補習学校の教育実態:関西農業補習学校
第5 節 「実際生活」に役立つ教育を求めて
第6 節 変容する教育と民衆:萬丹農業補習学校と南崁農業補習学校
章結
第5 章 地域に展開する農業補習学校の実践
はじめに
第1 節 地域の経済発達と文化向上の中核として:公館農業専修学校
第2 節 農業補習学校の地域に向けた事業:卒業生指導とは
第3 節 卒業生指導の実態:新営農業専修学校
第4 節 指導を求める民衆の姿:芎林農業専修学校
章結
終章 実業補習学校から見た植民地教育
第1 節 本研究の概要と成果
第2 節 植民地実業補習教育を担う「植民地教員」という存在
第3 節 農業補習学校が描き出す植民地台湾の教育と生活
第4 節 民衆生活の論理の内実:「豊かさ」と「実利」の変容
第5 節 残された課題
1977 年愛知県生まれ。
国際基督教大学で教育学と中国に興味をもち、名古屋大学大学院で社会教育と歴史研究、植民地台湾に出会う。
東京大学大学院博士課程修了。博士(教育学)。
現在、名古屋柳城女子大学こども学部准教授。
専門は社会教育学、こども学(子育て支援、保育の環境構成)。
大学生や現職保育士、こどもたちとともに、生活のままならなさを愉しみ、その面白さを何度も発見して驚く毎日。
主著は、『あそんでまなぶわたしとせかい 子どもの育ちと環境のひみつ』
(株式会社みらい、2018 年、共著)、『ワークで学ぶ子育て支援』(株式会社みらい、2024 年、共著)。